自律神経失調症・更年期障害
自律神経失調症・更年期障害について
自律神経が自ら機能に変調をきたすことはありません。すなわち、自律神経障害は自律神経の病気ではありません。
また、更年期障害の約20%の人にしかホルモン剤の効果がみられないと言われています。更年期障害の原因はホルモン以外の要因が大切だと言えます。
反応点治療では、これらの症状を考察するうえで、部分的に生じる自律神経の興奮に着目しています。
脊髄分節にしたがって生じる自律神経障害は、それぞれに原因疾患があると考えています。
どの疾患が自律神経障害を誘発しているかを反応点治療で検索し治療します。
一般的には、耳鼻咽喉科領域の慢性炎症などが自律神経障害を誘発すると考えています。
気分障害に悩む患者さん(自律神経障害)
患者さんは40歳代 男性、阪神大震災後、めまいが頻回起こったため耳鼻咽喉科に受診されて、異常がないことから心療内科を紹介されました。その後、不眠などの不定愁訴を訴えたため「二極性気分障害(躁うつ病)」と判断され精神安定剤をはじめ、睡眠導入剤、抗うつ剤2種類を服用している。
当初の治療目的は、第一にあったことをできるだけ平常時を保つこと、第二に不眠の解消、第三に全身倦怠感の改善を目標し、最終的には薬剤の依存から抜け出せる段階まで改善することを患者さんに説明しました。
治療開始から5回目で躁状態とうつ状態の繰り返しが頻繁に繰り返していた症状は安定した。患者さんは、病気への不安が軽減し生活への意欲が出てきたようだ。また、ローラー鍼によるセルフケアを行なうことが病気の軽減の一つであることを説明し、実施してもらい、さらに安定化を目指して週1回の治療を継続している。
日本国内の気分障害は1996年に約43万に余り、2008年にはその2.5倍近い104万人余りに増加しています。従来は中年から初老期にかけて患者さんがピークでありましたが、この10年間では20~30代の若い世代が増加していると言われている。
初診時から内耳点、肝臓、小腸などの反応点が顕著にみられ、頸肩部の筋緊張が激しかったが、治療の進展に従ってその範囲は小さくなった。また、比較的簡単に反応点は回復するようになった。
平衡感覚失調では、突然に、地面が揺れる感覚や原因不明の愁訴に見舞われるなど肉体的のみならず精神的にも大きな負担を強いられるが、パニック症・うつなどにおいても平衡失調がは印する例は少なくない。本例においても、内耳点の回復にしたがって精神的安定を取り戻しており、内耳点刺激の有効性が推察された。 反応点治療を積極的に行なうことで患者さんのQOL(生活の質)を向上させられることができ、同時に、精神的な苦痛に対処出来たことを喜んでいる。